重量税は申請して戻り、自動車税は月割で戻る。国税庁と東京都主税局の案内を読む
車検が残っている車を解体すると、先に払った税金の一部が戻ります。戻る税金は二つあります。国の税金の自動車重量税と、都道府県の税金の自動車税です。二つは、条件も、申請のしかたも、基準になる日も違います。国税庁と東京都主税局の案内に書かれていることを、順に読みます。
CHAPTER 1重量税は、解体すれば戻る
1-1 車検のときに、先に払っている税金
自動車重量税は、国の税金です。国税庁は、車検などのときに、車の重量などに応じてかかる税金、と説明しています。車検証の交付を受けるときまでに、税額ぶんの印紙を納付書に貼って納めます。
つまり、次の車検までのぶんを、先に払っています。車検の途中で車を解体すると、使わなかった期間のぶんが残ります。そのぶんを戻すのが、廃車還付の制度です。
この制度は、2005 年 1 月に始まりました。自動車リサイクル法の施行と同時です。車の登録を消す新しい手続きとも、合わせて始まっています。
なぜ、リサイクルの法律と一緒だったのでしょうか。法律ができたときの国の資料は、目的を書いています。持ち主が使用済みの車を引取業者に渡す、経済的な動機を用意する。それによって不法投棄を防ぐ、というものです。
国税庁の案内も同じことを書いています。この制度は、不法投棄の防止とリサイクルの促進の観点から設けられている。だから、戻るのは、法律にもとづいて適正に解体された車だけです。
1-2 条件は、二つ
還付の条件は、国税庁のタックスアンサーに二つ書かれています。
一つ目は、申請の時期です。解体を理由とする永久抹消登録の申請書か、解体届出書を、運輸支局などに出す。それと同時に、還付の申請書を出したものであること。
二つ目は、残りの期間です。車検の残りの期間が、1 か月以上あること。1 か月に足りない場合は、還付を受けることができません。
その前提として、車が自動車リサイクル法にもとづいて適正に解体されていることが要ります。対象は「適正に解体された使用済自動車」と書かれています。手続きの案内は、対象になる人を、使用済みの車を法律にもとづいて引取業者に引き渡した者、としています。
同時に、というところが大事です。国税庁は、登録を消す手続きを済ませたあとで、後日、還付の申請だけをすることは、原則としてできない、と答えています。理由も書かれています。登録を消す手続きのときに、適正に解体されたことを確かめることにしているからです。
1-3 いくら戻るか
計算のしかたは、国税庁の案内に式で示されています。還付される金額は、納めた自動車重量税の額に、車検の残りの期間をかけて、車検の有効期間で割ったものです。
| 納めた重量税 | 車検の残り | 車検の有効期間 | 還付される金額 |
|---|---|---|---|
| 24,600 円 | 5 か月 | 24 か月 | 5,125 円 |
例では、納めた税額が 24,600 円、車検の残りが 5 か月、2 年の車検です。24,600 円に 5 をかけて 24 で割ると、5,125 円になります。
納めた税額は、車検証に書かれています。国税庁は、そちらを確かめてください、と案内しています。
残りの期間は、いつから数えるのでしょうか。制度が始まる前に国が配った Q&A は、数え始める日を説明しています。引取業者が引取りを報告した日の次の営業日と、一時抹消登録の日の、どちらか遅い日。または、永久抹消登録の日の次の日です。金額は月割りで計算し、端数は切り捨てる、とも書かれています。
ここから分かることがあります。数え始める日は、車を使い終えた日ではありません。引取業者が引き取った報告や、登録を消した日が基準です。手続きが遅れると、残りの期間が短くなることがあります。くわしい数え方は、国税庁のリーフレットで確かめてください。
CHAPTER 2だれが、どこで、どう申請するか
2-1 申請するのは、最後の持ち主
還付を受けるのは、「最終所有者」です。国税庁は、使用済みの車を引取業者に引き渡した時点の持ち主、と説明しています。
車検証に書かれた所有者とは、限りません。案内は、車検証の所有者ではない場合もある、と書いています。その場合は、譲渡証明書などで、最後の持ち主であることを確かめます。
ローンで買った車は、注意が要ります。所有権が販売会社に残っている場合は、販売会社が還付を受けることになる、と案内にあります。還付を受けるのは、最後の持ち主だからです。
税金を実際に納めた人かどうかは、問われません。国税庁は、理由も書いています。この制度が、車を引取業者に引き渡した最後の持ち主に対して還付する措置として、設けられているからです。
持ち主が亡くなっている場合は、相続人が還付を受けます。申請は相続人の名前で行います。会社が合併でなくなっている場合は、合併のあとに残った会社の名前で申請します。
2-2 出すのは運輸支局、払うのは税務署
還付の申請書は、税務署には出しません。登録を消す手続きと同じ窓口に出します。登録自動車は運輸支局か自動車検査登録事務所、軽自動車は軽自動車検査協会です。
申請書の用紙も、一つになっています。永久抹消登録の申請書や解体届出書と、一体の様式です。国税庁は、申請する人の負担を軽くするために、登録を消す手続きと税の還付の手続きを一括にしている、と説明しています。
用紙は、運輸支局などの近くにある関係団体の窓口で手に入ります。税務署にはありません、と案内に書かれています。
出したあとは、運輸支局から税務署に引き継がれます。税務署が審査をして、還付金を払います。申請書を出してから還付金が払われるまでは、おおむね 2 か月半ほどかかります。国税庁は、審査などの手続きを的確に行うために、ある程度の期間がかかることを理解してほしい、と書いています。
受け取り方は二つです。預貯金の口座への振込みと、ゆうちょ銀行か郵便局の窓口での受け取りです。口座は、本人の名前の口座に限られます。インターネット専用の銀行は、特定の銀行を除いて振込みができない、と案内にあります。
代理人に頼むこともできます。申請の手続きを頼むときは委任状を付けます。この委任状は、登録を消す手続きの委任状と兼用です。還付金の受け取りを頼むときは、別に、受け取りの権限の委任状が要ります。
2-3 戻らない場合
還付を受けられない場合も、国税庁の案内に並んでいます。どれも、理由は同じです。この制度が、適正に解体された車だけを対象にしているからです。
中古車を輸出した場合は、還付を受けられません。車を売った場合も、受けられません。買い替えのときに下取りに出した場合も、盗難にあった場合も、同じです。
オートバイも対象の外です。国税庁は、自動車リサイクル法の対象ではない二輪車は、還付を受けることができない、と答えています。
車検の残りが 1 か月に足りない場合も、戻りません。登録を消す手続きを先に済ませてしまい、あとから還付だけを申請することも、原則としてできません。
別の還付の制度もあります。自然災害で被害を受けた車の還付の制度などです。国税庁は、そちらは別の案内を見るように、と書いています。災害で車を失ったときは、解体の還付とは別の道があることを、覚えておくとよいでしょう。
CHAPTER 3自動車税は、月割で戻る
3-1 4 月 1 日の持ち主に、一年ぶん
もう一つの税金は、自動車税です。こちらは都道府県の税金です。ここでは、東京都主税局の案内を読みます。ほかの道府県については、それぞれの案内で確かめてください。
東京都主税局は、自動車税を、車を持っている人にかかる道府県税、と説明しています。4 月 1 日の時点で、車検証に所有者として登録されている人が納めます。5 月の上旬に納税通知書が届き、5 月の末日までに一年ぶんを納めます。
名前は、最近変わりました。2026 年 4 月 1 日から、「自動車税種別割」は「自動車税」という名前になっています。自動車税環境性能割は、2026 年 3 月 31 日で廃止されました。
年度の途中で持ち主が変わっても、税金は分けられません。主税局は、年度の途中で名義変更された場合でも、前の持ち主に一年ぶんがかかり、新しい持ち主には次の年度からかかる、と書いています。
月割になるのは、二つの場合だけです。新しく登録した場合と、抹消登録をした場合です。
3-2 抹消登録した月の、次の月から
車を廃車した場合について、主税局はこう答えています。年度の途中に抹消登録をした場合は、抹消登録した月の次の月から、月割で減額する。
例も出ています。6 月に抹消登録をした場合は、4 月から 6 月までの 3 か月ぶんがかかります。残りの 9 か月ぶんは、かかりません。
計算の式も載っています。税率表の年額に、かかる月数をかけて、12 で割る。100 円に満たない端数は切り捨てです。
すでに一年ぶんを納めていた場合は、差額が戻ります。こちらは、申請が要りません。主税局は、還付金が発生すると、自動的に通知を送るので、別に還付の申請をする必要はない、と書いています。通知が届くのは、抹消登録が確かめられてから 1 か月ほどあとです。
受け取り方は、金額で分かれます。5 万円以下なら、ゆうちょ銀行から振替払出証書が届きます。5 万円を超える場合は、口座振替の依頼書が郵送されます。都税に未納があるときは、還付金は未納のぶんに充てられます。
3-3 二つの税金は、基準の日が違う
二つの税金を並べると、違いがはっきりします。
| 自動車重量税 | 自動車税(東京都の場合) | |
|---|---|---|
| 税の種類 | 国の税金 | 都道府県の税金 |
| 戻る条件 | 適正に解体され、登録を消す手続きと同時に申請する。車検の残りが 1 か月以上 | 抹消登録をする |
| 申請 | 要る。運輸支局などに出す | 要らない。自動的に通知が届く |
| 戻る額 | 車検の残りの期間のぶん | 抹消登録した月の次の月から、年度末までのぶん |
| 戻るまで | おおむね 2 か月半ほど | 通知が届くまで 1 か月ほど |
どちらも、基準になるのは手続きの日です。車を業者に渡した日ではありません。主税局は、廃車した日とは、実際に抹消登録した日のことだ、と書いています。月をまたぐと、自動車税は一か月ぶん変わります。
抹消登録ができないまま、車を解体した場合の扱いもあります。主税局は、解体したことと解体の日が分かる証明書を付けて申し立てれば、解体した日の次の月のぶんから減額する、と答えています。例では、6 月 10 日に解体した場合、7 月から次の年の 3 月までの 9 か月ぶんが減額されます。
証明書として挙げられているのは三つです。解体報告記録日が書かれた登録事項等証明書。自動車リサイクルシステムの、処理の状況を調べる画面の写し。解体業者が発行した解体証明書です。
軽自動車の税金は、都道府県ではなく市区町村の税金です。主税局は、定置場のある区市役所か町村役場に問い合わせてください、と書いています。税金の決まりは変わることがあります。実際に手続きをするときは、国税庁、都道府県、市区町村の、いまの案内を確かめてください。
SOURCES出典
- 国税庁 タックスアンサー「No.7192 自動車重量税のあらまし」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7192.htm(2026-10-02 確認) - 国税庁 タックスアンサー「No.7193 使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7193.htm(2026-10-02 確認) - 国税庁「D8-1 使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付申請手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/jidoshajuryo/01.htm(2026-10-02 確認) - 国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について」(よくある質問)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/jidoshajuryo/qa/02.htm(2026-10-02 確認) - 東京都主税局「自動車税」
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/automobiles/shubetsu(2026-10-02 確認) - 東京都主税局「自動車税」(よくある質問)
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/automobiles/j(2026-10-02 確認) - 経済産業省・環境省ほか「自動車リサイクル法に関する主なQ&A 解体業者編」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/automobile_recycle/other/pdf/explanation/kaitaiQA.pdf(2026-10-02 確認) - 経済産業省・環境省・国土交通省「使用済自動車の再資源化等に関する法律の概要(自動車リサイクル法)」(平成14年7月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/pdf/003_11_01.pdf(2026-10-02 確認)
この記事は、上の資料の原文を確かめたうえで書いています。台数や割合などの数は、資料に書かれているものだけを使いました。制度や手続き、税金の決まりは変わることがあります。実際の手続きは、運輸支局、税務署、都道府県の窓口などでお確かめください。